いつどこで誰が何をした
僕が新たに通うのは隣町にある高校。
僕らの街のかつての高校は、詳しいことは分からないけど現在封鎖されているらしい。
あの高校に通っていた他のクラスや学年の人達、先生方がどこへ行ったのかは知らない。
まあ、知ろうとしていないんだけど。
転校初日。
対して人と仲良くなるのが上手いわけでもない僕はかなり緊張している。
でも…高校生活を満喫できなかったかつてのクラスメイトのために…僕は高校へ通うんだ。
生きてるんだから。
校長室でよくわからない挨拶を終え、教室に向かう。
2年3組が僕のクラスらしい。
「君のことは聞いている。あの事件の起きたクラスにいたこともだ。前の学校の事は…クラスのみんなには言わない方がいいと思う」
道中、担任の先生が暗い声で言った。
「そのつもりです…僕も詳しいことは知らないので」
「…大変だったな」
大変…だったんでしょうね。
友達という友達はいなかった。
僕は目立たない方だっただろうから。
強いて言うなら…趣味が合ってたまに話していた成川くんくらい。
あとは密かに憧れていた枕崎くんと、たまに話しかけてくれた梅原さん。
それから…こんな僕にもみんなと同じように接してくれた、ひかるくんと克馬くん。
彼らもみんな…いなくなってしまったんだな。
「さあ、ここから君の新しい学校生活が始まるんだ。未来を見よう。過去は変えられない」
先生が僕の背中を叩いた。
「はい。僕、頑張ります。…みんなのためにも」
「ああ」