いつどこで誰が何をした


あ、そうだ。隣の席はどんな人だろう。
窓際一番前に座る人を見る。
男の子…だよね?

セットしたのか天パなのかよくわからない、緩めに巻かれたような男の子にしては長い髪。それを後ろで一つ結びにしていてなんだかおしゃれだ。
不健康にすら見える薄い肌の色。

……?
その男の子は目を見開いて僕を見ている。


似たような顔をした人を…僕は知っている気がするけど……他人の空似だろうか。



と、その時。
ガコンと嫌な音がする。

僕はその人に気を取られていたせいで、教卓の足に躓いてしまったのだ。
前のめりに体が動く。足が出ない。

あーもう嫌だ!
初日から転けるなんて嫌だよ!

そう思った時には遅かった。
僕は体を前に放り投げて、窓際の男の子の席に向かってダイブしてしまった。


…い、痛い。
……やってしまった…

しんとする教室。


僕は顔を真っ赤にして、うつ伏せに転がっていた体をゆっくり起こした。
転けないようにしようって思ってたのに…。

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