いつどこで誰が何をした
すると、僕の前にスッと手が伸びてきた。
窓際の男の子だろうか。
足元に転んでしまったもんな…
「大丈夫?転校初日から派手に転けるなんて…おっちょこちょいだね」
……!
……待って…
この声、知ってる…
僕はゆっくり…手を差し出してくれた、窓際一番前に座る男の子を見た。
「っ!」
くすりと笑った彼の唇から覗くのは…かなり鋭い八重歯。
笑っているのにどこか寒気のする、三白眼…
墨で塗りつぶしたような、結われた黒い髪が揺れた。
「……なんで…いるの」
「久しぶり。会えて嬉しいよ、瀬尾」
「……っ」
どうして
そんな風に…笑えるの…?
どうして
そんなに
『普通』なの…?
「ひかるくん…」
END//