いつどこで誰が何をした


戻ってきたクラスメイトは東坡を見るとみんな目を丸くする。
で、いつもよりぎごちなく席に座る。

「あれ、東坡」
「おぅ柳谷か」
「久しぶり、今日は早いな」
「ちゃんと遅刻だけどな」
ほら柳谷もちゃんと話せる。
変に気遣うことないと思うんだけど。


ガラ

「…」

扉を開けたのは枕崎。
それを見つめる東坡。

……
……

空気が濁る。目に見えそうなピリピリ。
そうだった。この二人はクソほど仲が悪いんだった。特に普段は絡まないはずなのにお互いにお互いを拒絶し合ってるのか、東坡が何故か枕崎にガチギレしたこともあった。
空気が悪い〜。


変に静まり返った教室。
盛り上げ組のよしきや杉山檜山も珍しくおとなしい。

しばらくして女子も帰ってきた。
東坡を見るなり気まずそうに小声になる。
何がそうさせるのかなぁ。ただのクラスメイトなのに。


「ちょっと邪魔」


静かな教室に響く声のする方を見ると、山野が東坡の方を見ていた。
東坡は机をかなり前の方へ押し出していたから山野が座れない状態だ。

「あ?」
わー喧嘩腰の東坡。
「座るから」
ビビることなく堂々とした山野。
かっけぇ。
「…ちっ」
舌打ちをして机を引く東坡。
ほら問題ないよ。

確かに雰囲気は怖いけど…まあ、こちらが何もしなければ噛み付かれることもない。
そんな東坡だっていちいち他人に干渉しないんだからさ。みんなビビりすぎだよ。



しばらくして教科担任が入ってきた。
東坡を見て少し驚いたのが分かる。
何をそんな身構える必要があるのかな。

そしていつもと違う空気の中、いつもと同じように授業が始まった。

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