いつどこで誰が何をした


「確かに檜山の言うことも分かるけど…片桐が言った通りあのメッセージに関係があるんだったら、早急に片付けないとまずいことになるぞ。もしかしたら次の犠牲者が出る可能性がある」

そう一息に喋ったのは枕崎だった。
彼の発言には信用できる何かがある。
そう思っているのは僕だけではないようで、檜山を含めクラス中がしんとする。

「もしあのメッセージと野々村の死が関係あるのなら…今夜もメッセージが来る可能性がある」
ざわつくクラス。
そうだよね。
これまでのこと考えればそうなるよね。


「だからだよ。俺もそう思ったんだ」
片桐が再び口を開いた。
「もしかしたら今日と同じ事になるかもしれない。それは避けたいんだよ」

片桐も僕も、そして他のみんなも
つい一時間前はこのメッセージのことをイタズラだと笑った。
だけどもうそんなことは言っていられない。


「無理だよ私!今まではメッセージが来たらスマホ触れなくなるから軽く返してたけど…こんな人の命かかってるんならもう返さないよ!」
そう叫んだのは深川亜由。
あまり自分の意見を言うような子ではなかったが、こうもなれば変わるか。
焦点の合わない目が細かく震えている。

「私も…無理だよ…」
続けて浜崎もつぶやいた。
「返さなければ…明日の朝のメッセージも来ないんじゃない?」
渡辺はなが低い声でそう言う。

賛同し始めるクラスメイト。
「確かかはわからないけど…それくらいしかできることがないか…」
片桐まで言い出した。

檜山はずっと俯いている。
杉山は片桐の意見に賛成しているようだ。


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