いつどこで誰が何をした
静かに階段を下る。
「…大本どうなったんだろう」
片桐が心配そうな声を出す。
「…どうだろうね」
中身のない返事をする僕と、無言のままの枕崎。
しんとした学校内。
教師たちも警察署に行っているみたいでほとんど誰もいない。
階段の窓から外を見ると、相変わらず校門の前でスーツの大人が数人、他の人間が学校に入らないよう警備している。
マスコミもいない。大スクープなのに。変なの。
あまりにも得体がしれないから機密にしているのかもしれない。
小さな街だからあまり外部に情報が漏れることがないっていうのは不幸中の幸いだ。
クラスメイトの中にもSNSで騒ぎ立てたりする奴はいなかった。下手なことをしたら死ぬかもしれないと思っているのだろう。
馬鹿がいなくてよかった。
ても誰も何もしてくれないってのは変な話だ。
僕たちは見捨てられたのだろうか。
見かけだけでも心配した大人が誰かしら教室に来てくれるのではと思っていたけど、そんなことはなかった。
僕たちが異様な事件に巻き込まれていることを知り、気味悪がって近づかないのかもしれない。
祐樹も言っていた通り、他人はあくまで他人だから。
大人ってそんなもんだ。
所詮人間自分が一番可愛い。
だから別に恨みはしない。
ただ、もし生き残って今までのような生活を取り戻したとしても、僕らはお前らを軽蔑するだろうね。