初めての恋はあなたとしたい
空港には出待ちをしているファンがすでに多く到着しており、予定通り警備員が対応していた。
選手たちが現れるのを今か今かと待ちわびており、熱気に包まれていた。その興奮がこちらにまで伝わってくる。
私たちが待ち構えていると、グランドスタッフと副社長である彼に先導されて選手がゲートを抜けて現れた。
キャー、という歓声に空港が揺れる。
けれど私にはどの選手よりも先導している彼に目を奪われた。
向こうは私に気が付く訳がない。
でも私には彼だけが何故か他の人よりも色濃く見える。混雑していても彼を見つけられる自信がある。
選手はしばらく来ていたお客さんとの写真やサインに答えていたがそろそろ、と思うところで副社長から合図があった。
望月さんや他のスタッフはさりげなく間に入り込み選手を会見場へ誘導した。
そちらはすでにスタンバイが済んでおり、取材陣が待機しているはずだ。
私も選手を誘導すべく後方にいると、後ろから声がかけられた。
「お疲れさん。これはまたすごい人数来てるね」
振り返ると後ろにはパイロットの曽根さんと牧野さんがフライトバッグを持ち立っていた。
「お疲れさまです。もしかして今の便ですか?」
「そう。疲れたー」
そんなことを口にしているが見た目は全く疲れを感じさせない。むしろ制服姿を正面から見て、見惚れてしまうくらいに目が釘付けになってしまった。
「大変なお仕事ですもんね。お疲れさまです」
「美花ちゃんに言ってもらうと癒されるよ。そういえばお土産を買ってきてあげたんだ。明日食堂で会えるかな?」
「いつもありがとうございます。明日大丈夫だと思います」
そう伝えると彼はニコッと笑顔を見せ、軽く手を上げると牧野さんとバックヤードへと歩いて行ってしまった。
私は選手の後ろを遅れを取らないように追いかけたが、私と曽根さんの様子を見ていた人がいたなんて気が付かなかった。
選手たちが現れるのを今か今かと待ちわびており、熱気に包まれていた。その興奮がこちらにまで伝わってくる。
私たちが待ち構えていると、グランドスタッフと副社長である彼に先導されて選手がゲートを抜けて現れた。
キャー、という歓声に空港が揺れる。
けれど私にはどの選手よりも先導している彼に目を奪われた。
向こうは私に気が付く訳がない。
でも私には彼だけが何故か他の人よりも色濃く見える。混雑していても彼を見つけられる自信がある。
選手はしばらく来ていたお客さんとの写真やサインに答えていたがそろそろ、と思うところで副社長から合図があった。
望月さんや他のスタッフはさりげなく間に入り込み選手を会見場へ誘導した。
そちらはすでにスタンバイが済んでおり、取材陣が待機しているはずだ。
私も選手を誘導すべく後方にいると、後ろから声がかけられた。
「お疲れさん。これはまたすごい人数来てるね」
振り返ると後ろにはパイロットの曽根さんと牧野さんがフライトバッグを持ち立っていた。
「お疲れさまです。もしかして今の便ですか?」
「そう。疲れたー」
そんなことを口にしているが見た目は全く疲れを感じさせない。むしろ制服姿を正面から見て、見惚れてしまうくらいに目が釘付けになってしまった。
「大変なお仕事ですもんね。お疲れさまです」
「美花ちゃんに言ってもらうと癒されるよ。そういえばお土産を買ってきてあげたんだ。明日食堂で会えるかな?」
「いつもありがとうございます。明日大丈夫だと思います」
そう伝えると彼はニコッと笑顔を見せ、軽く手を上げると牧野さんとバックヤードへと歩いて行ってしまった。
私は選手の後ろを遅れを取らないように追いかけたが、私と曽根さんの様子を見ていた人がいたなんて気が付かなかった。