初めての恋はあなたとしたい
「昼間も誰か男と話してたよな。金曜だってパイロットのふたりと話してた。心配で仕方ないんだ」
心配……か。やっぱり妹のような存在なんだと視線が下がる。
すると彼に掴まれたままの手に力がこもる。
「ごめん、今はもう祐樹の妹として見れない。美花ちゃんのことが気になって仕方ないんだ」
どういうこと?
下がっていた視線をまた上げると彼と目が合った。
「好きなんだ」
え?
妹としてではなく?
頭の中が混乱し、真っ白になってしまう。
たっくんが私を好き?
妹ではなく?
何度も何度も、妹にしか見られていないと思っていただけに衝撃が強い。
まさか、としか言葉が出てこない。
私だけが好きなわけじゃなくて、彼も好きでいてくれるの。
でも、噂になってる女優さんとはどうなっているの?
あまりに無言の時間が続き、私が何も言わないので何を思ったのか急に握っていた手を引き、私を抱き寄せた。
「本気だと思わせてやる。だから美花も俺を祐樹と同じ兄としての立ち位置ではなく、俺個人を見てくれ」
耳元で聞こえる彼の声はいつもと違い、どこか色気を感じて胸の奥がぎゅっと掴まれる。
私はずっとたっくんのことが好きだと伝えたいのにドキドキしすぎて言葉が出ない。
あまりに早くなった鼓動に心臓が壊れてしまいそう。
「もう美花ちゃんとは言わない。ひとりの女性として呼び捨てにさせてくれ」
あ……。
私もいつも呼ばれるたびに寂しく感じていた。ちゃんを付けて呼ばれると子供だと言われてるようだと思っていた。その反面、呼び捨てで呼ばれると彼のものだと言われているようで嬉しかった。
「俺のことも拓巳と呼んで。俺の気持ちはもう決まってるから美花は俺を男として見れるか考えて見てくれ」
彼の腕の中に閉じ込められると今まで知らなかった彼の匂いがした。どこか落ち着いた森の中のような匂いの中にも爽やかさがあり気持ちが穏やかになる。つい彼のスーツを握りしめてしまった。無意識に彼から離れたくなかったのかもしれない。けれど彼はそんなことに気がついていないのか、私から言葉が出てこなかったのを気にしてなのか思いもよらない、予想外なことを口にした。
「美花のこと本気だから。俺を好きにならせてみせるから、覚悟して」
私だって好きなの、と言いたいのにあまりの嬉しさに言葉が出ない。まさか彼からこんなふうに言われるなんて想像もしていなかった。
「そろそろ寒いよな。帰ろうか」
彼が私を腕の中からそっと離すと間に冷たい風が入り込む。
「うん」
彼は私の手をしっかりと握りしめると車へと戻っていった。
心配……か。やっぱり妹のような存在なんだと視線が下がる。
すると彼に掴まれたままの手に力がこもる。
「ごめん、今はもう祐樹の妹として見れない。美花ちゃんのことが気になって仕方ないんだ」
どういうこと?
下がっていた視線をまた上げると彼と目が合った。
「好きなんだ」
え?
妹としてではなく?
頭の中が混乱し、真っ白になってしまう。
たっくんが私を好き?
妹ではなく?
何度も何度も、妹にしか見られていないと思っていただけに衝撃が強い。
まさか、としか言葉が出てこない。
私だけが好きなわけじゃなくて、彼も好きでいてくれるの。
でも、噂になってる女優さんとはどうなっているの?
あまりに無言の時間が続き、私が何も言わないので何を思ったのか急に握っていた手を引き、私を抱き寄せた。
「本気だと思わせてやる。だから美花も俺を祐樹と同じ兄としての立ち位置ではなく、俺個人を見てくれ」
耳元で聞こえる彼の声はいつもと違い、どこか色気を感じて胸の奥がぎゅっと掴まれる。
私はずっとたっくんのことが好きだと伝えたいのにドキドキしすぎて言葉が出ない。
あまりに早くなった鼓動に心臓が壊れてしまいそう。
「もう美花ちゃんとは言わない。ひとりの女性として呼び捨てにさせてくれ」
あ……。
私もいつも呼ばれるたびに寂しく感じていた。ちゃんを付けて呼ばれると子供だと言われてるようだと思っていた。その反面、呼び捨てで呼ばれると彼のものだと言われているようで嬉しかった。
「俺のことも拓巳と呼んで。俺の気持ちはもう決まってるから美花は俺を男として見れるか考えて見てくれ」
彼の腕の中に閉じ込められると今まで知らなかった彼の匂いがした。どこか落ち着いた森の中のような匂いの中にも爽やかさがあり気持ちが穏やかになる。つい彼のスーツを握りしめてしまった。無意識に彼から離れたくなかったのかもしれない。けれど彼はそんなことに気がついていないのか、私から言葉が出てこなかったのを気にしてなのか思いもよらない、予想外なことを口にした。
「美花のこと本気だから。俺を好きにならせてみせるから、覚悟して」
私だって好きなの、と言いたいのにあまりの嬉しさに言葉が出ない。まさか彼からこんなふうに言われるなんて想像もしていなかった。
「そろそろ寒いよな。帰ろうか」
彼が私を腕の中からそっと離すと間に冷たい風が入り込む。
「うん」
彼は私の手をしっかりと握りしめると車へと戻っていった。