初めての恋はあなたとしたい
すぐに離れてしまった唇に寂しさがつのる。
「美花、少し移動しよう」
助手席のドアを開けると私を座らせ、すぐに運転席に回り込むと拓巳くんは車を発信させた。
無言の車内。
私はドキドキが止まらない。
拓巳くんの顔も見られず、ただ、ただ窓の外を眺めていた。
20分くらい走っただろうか。
車は地下の駐車場に停められた。
「少し部屋で話さないか?」
私は頷くと車のドアを開けた。
彼に手を引かれマンションに入るとエレベーターに乗り、スマートキーをかざすと33階のランプがついた。ぐんぐんと上昇し、あっという間に到着すると部屋の前まで案内され、再びスマートキーをかざすとガチャリと解錠された音が聞こえた。
「どうぞ」
初めて入る拓巳くんの部屋。
扉の向こうには大きなリビングになっており、レースのカーテン越しに見えるのは電波塔のライトアップだった。
「すごい」
角部屋ならではの広角の世界が広がっていた。開放的で、全面に夜景が広がっていた。
33階という高層階ならではの足元まで広がる夜景に今まで感じたことない高揚感があった。
そして、その景色を楽しむかのようにソファが置かれ、その隣にはハンギングチェアもあった。
私は立ち止まったまま動けずにいると、中に入るよう勧められ、用意してもらったフワフワのルームシューズを履き窓際まで足を進めた。
私が夜景に圧倒されていると、後ろから拓巳くんに抱きしめられた。
「この景色に妬けるな。今は俺のことだけを考えて欲しいのに」
耳元で聞こえる拓巳くんの声にドキドキしていた胸がさらに鼓動を早め、パンクしてしまいそうになる。
首筋に彼の唇が当てられ、思わず声が出てしまった。
「ひゃっ」
「美花。好きだ。俺と付き合ってくれるか? 俺は絶対に美花を幸せにすると誓う」
後ろから聞こえる声はまだどこか不安げだ。
それに私は彼の顔を見て伝えたかった。
くるりと彼の腕の中を回ると正面を向き、顔を上げて彼の目を見た。
「拓巳くんのことが昔も今も大好きなの」
「美花……」
改めてギュッと抱きしめられるその力に現実
なんだと実感させられる。
「ずっと……、ずっと好きだったの。拓巳くんを知れば知るほど私とは世界の違う人だって思った。今だってこんな部屋に住んでるんだと思うと少し気後れするよ。それでも、やっぱり拓巳くんが好き」
「俺もずっと好きだった。俺にとって美花は妹じゃない。ずっと女性として意識してた。でも美花に怖がられるんじゃないかって、それに今の関係を壊すのが不安だった」
抱きしめられた力強い腕が私を包み込む。私も彼の背中に手を回しギュッと抱きしめた。
「でも、今のままでいい訳がないと思った。今まで美花に男が寄らないようにしていたけど、社会に出た美花はどんどん羽を広げていくんだとわかった。そんな美花を周りが放っておく訳がないんだって気付かされた」
「え?」
「美花を誰にも渡したくない」
腕の力が緩んだと思ったら、彼は私の顎を持ち上げてきた。そしてあっという間に唇を塞がれた。
「美花、少し移動しよう」
助手席のドアを開けると私を座らせ、すぐに運転席に回り込むと拓巳くんは車を発信させた。
無言の車内。
私はドキドキが止まらない。
拓巳くんの顔も見られず、ただ、ただ窓の外を眺めていた。
20分くらい走っただろうか。
車は地下の駐車場に停められた。
「少し部屋で話さないか?」
私は頷くと車のドアを開けた。
彼に手を引かれマンションに入るとエレベーターに乗り、スマートキーをかざすと33階のランプがついた。ぐんぐんと上昇し、あっという間に到着すると部屋の前まで案内され、再びスマートキーをかざすとガチャリと解錠された音が聞こえた。
「どうぞ」
初めて入る拓巳くんの部屋。
扉の向こうには大きなリビングになっており、レースのカーテン越しに見えるのは電波塔のライトアップだった。
「すごい」
角部屋ならではの広角の世界が広がっていた。開放的で、全面に夜景が広がっていた。
33階という高層階ならではの足元まで広がる夜景に今まで感じたことない高揚感があった。
そして、その景色を楽しむかのようにソファが置かれ、その隣にはハンギングチェアもあった。
私は立ち止まったまま動けずにいると、中に入るよう勧められ、用意してもらったフワフワのルームシューズを履き窓際まで足を進めた。
私が夜景に圧倒されていると、後ろから拓巳くんに抱きしめられた。
「この景色に妬けるな。今は俺のことだけを考えて欲しいのに」
耳元で聞こえる拓巳くんの声にドキドキしていた胸がさらに鼓動を早め、パンクしてしまいそうになる。
首筋に彼の唇が当てられ、思わず声が出てしまった。
「ひゃっ」
「美花。好きだ。俺と付き合ってくれるか? 俺は絶対に美花を幸せにすると誓う」
後ろから聞こえる声はまだどこか不安げだ。
それに私は彼の顔を見て伝えたかった。
くるりと彼の腕の中を回ると正面を向き、顔を上げて彼の目を見た。
「拓巳くんのことが昔も今も大好きなの」
「美花……」
改めてギュッと抱きしめられるその力に現実
なんだと実感させられる。
「ずっと……、ずっと好きだったの。拓巳くんを知れば知るほど私とは世界の違う人だって思った。今だってこんな部屋に住んでるんだと思うと少し気後れするよ。それでも、やっぱり拓巳くんが好き」
「俺もずっと好きだった。俺にとって美花は妹じゃない。ずっと女性として意識してた。でも美花に怖がられるんじゃないかって、それに今の関係を壊すのが不安だった」
抱きしめられた力強い腕が私を包み込む。私も彼の背中に手を回しギュッと抱きしめた。
「でも、今のままでいい訳がないと思った。今まで美花に男が寄らないようにしていたけど、社会に出た美花はどんどん羽を広げていくんだとわかった。そんな美花を周りが放っておく訳がないんだって気付かされた」
「え?」
「美花を誰にも渡したくない」
腕の力が緩んだと思ったら、彼は私の顎を持ち上げてきた。そしてあっという間に唇を塞がれた。