北沢くんのハレ!
「よろしくー、柏木さん」

 おっ! 町田さん早速友達が出来たのか。早いな〜。
なんて思っているとチャイムが鳴った。

「皆さん席に着いてー。いきなりですが来週に親睦を深める為に遠足に行きます!」

「ほんと?! やったー!!」

 教室全体に皆の歓声が広がる。

「まず皆さんは4人組の班を作ってください!」

 よりによってグループ分けをするのか。

「ねぇー! 町田さん一緒の班になろ!」

「いいよー」


「なぁ! おーい! 聞いてるかー!」

 俺はまたしても1人になるのか...

「おい! 聞いてるのか!」

「え、あ、うん。聞いてるよ」

「いや、絶対聞いてなかっただろ。それより一緒の班になろうぜ。」

「あ....うん。いいよ」

「そうだ! 俺の名前は浅井 悠樹。よろしくな!」

「浅井さんよろしく」

「悠樹でいいよ! 俺も晴斗って呼ぶから!」

「わかった。悠樹よろしく。ところであと二人どうするの?」

「あ〜、それなんだがこいつらでいいか?」

「僕は何でもいいけど」

 誰が入るかなんて今は気にしている場合じゃなかった。
 生まれて初めてこんな対応をされた。

「私はさや! よろしくね、きたっち!」

「....きたっち?」

「こいつさっきからこんな感じだから」

「そうなんだ」

「あ、私は月島 琉奈(つきしま るな)です。よろしくお願いします」

「よろしく」


「みんなメンバー決まったみたいね! 仲良くするのよー!」

 はぁ、これから俺の日常はどうなってしまうんだ。
 とりあえず入学初日はなんとか乗り切ることができた。

「じゃあみんな気をつけて帰ってねー!」


「北沢くん、帰ろう」

「あ、町田さんか」

「町田ですいませんでしたー」

「そういうことじゃないよ」

「そう? 北沢くん友達出来て良かったね」

「友達っていうのかな。昔みたいにただの人数合わせでしかないだろ」

「またそういう! 大丈夫だよ。きっと」

「だといいな」

「んじゃ、私こっちだからまた明日」

 友達か、何なんだろうな。友達って。
 まぁ、今日はいつもより疲れてるし考えないでおくか。
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