北沢くんのハレ!
ー4月11日ー

 ふわぁ〜。
 今日はなんだかいつもより疲れが取れてない気がする。
 まぁ、入学初日だったから仕方ないか。

「おーい。早く出てこないと遅れるよ」

「分かってるから、少し待ってくれ....ってなんで町田さんがいるの?!」

「北沢くんのお母さんが入れてくれたよ」

あの野郎....許さんマジ。

「ほら早く」

「分かったよ。行ってきまーす」

......

「今日は一段と顔が暗いね」

「あぁ、初日で色々と疲れたんだよ」

「そうなのか。まぁ友達がいるんだから話してれば元気になるよ!」

「友達っていうけどな、どうせたてま....」


    ☆北沢くんのハレ!☆


「な? 教室に入ったけどだれも....」

「よぉ! おはよ、晴斗!」

「あ、おはよう」

「北沢さん、おはようございます」

「わぁー! きたっちおはよー!」

「ね? 言ったでしょ?」

 嘘だ、今までそんな事なかったのに。
 友達....? なのか....

「なんできたっちそんな朝の早朝から泣いてるの?」

「泣いて....なんかいないし、あとそれ同じ意味な」

「なっ! 分かってたけどあえてだよ! あえて!」

「あははは! なんだよそれ」

「笑うなよー!」

 やっぱり町田さんには到底敵わないな。
 なんで町田さんは僕の為にそこまで、いつまで優しくしてくれるんだろう。



 それからも彼らはこんな僕に毎日声をかけてくれた。

 こんな気持ちになったのはあの時以来だ。


「そうだ! 来週の月曜はついに遠足だから買い物に行こうよ!」

「おー! さや、お前にしてはいいこと言うじゃねぇか!」

「いいですね! ちょうど服とかも買いたかったですし!」

「どうだ? 晴斗、お前も行かないか!」

「あぁ、行くよ! 町田さんも行こう」

「え? 私? 違う班だよ」

「全然構わねぇよ! 町田さんも来な!」

「うん。分かった」

「よし、決定だ!明日10時、駅に集合な!」



「言ったでしょ? まだ数日しか経ってないけど仲良くなれるんだよ!」

「あ、うん。まぁ、ありがとう。ドヤ顔されるようなことじゃないけど」

「最後の余計だよ。んじゃまた明日ね」


 友達か....今まで考えたくなかったこと。
 
 もし彼らとの友情が仮だとしても周りに人がいないよりかはいいか。

 どうすればいいんだろう....


 



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