北沢くんのハレ!
「はいはいー。黄昏てるとこ失礼します」

「物音立てずに入ってくるのはやめろよ。てかなんで町田さんここに来たんだ? 帰ったんじゃないのか?」

「あー。北沢くんの家には材料ないだろうなーって思って」

「材料?」

「キッチン借りるよ」

「あぁ」

 一体どういうことだ。

 いきなり来るなんて。

 それより材料ってなんだ。

 考えることが多すぎて頭が痛いからとりあえず考えるのはやめておくか。


「出来たよ。おかゆ」

「町田さんって料理出来たんだ!」

「失礼だね。作れるのは当たり前でしょ」

「当たり前ではないけど、まぁ、ありがとう」

「どういたしまして」

「お〜! 普通に美味しいな!」

「普通は余計だけどね」

「やっぱり俺には町田さんがいないと生きてけないなぁ」

「?! え! あ?! そ、そうだね」

「ん? 町田さんどうした?」

「え!? な、なにが?!」

「いやなんか顔赤いから町田さんも熱なのかなって」

「あ、あぁ〜、私は大丈夫だよ」

「そう? 町田さんに移ったらあれだからもう帰っても大丈夫だよ」

「熱は大丈夫になったの?」

「俺の身体、丈夫だし。熱なんて数時間も経てば消えるから心配しなくていいよ!」

「そうなんだー。気をつけてね。お大事にー」

「今日はなんか色々ありがとう」



 今日の町田さんは少し変だったな。

 もしかしてほんとうに熱が移ってたりして?!

 なんだかまた眠たくなってきたな。

 今日はもう寝よう。


    ◇北沢くんのハレ!◇


 土曜日に遠足の買い出しに行こうと約束したのにまさかの熱を出しちゃった俺。

 その埋め合わせの為に日曜日に改めてみんなで買い出しに行く事にした。

 初めて友達と行く買い物はとても楽しかった。

 それにみんなの事についても少し知る事も出来たし、最高の1日だった。

 明日はいよいよ遠足だ。

 遠足と言ってもどうやら班でカレーを作るらしい。

 友達と仲良く作るカレーはどんな味がするんだろう。


 初めて心を踊らせながら俺は眠りについた。

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