色彩わるつ。
第三章 『君と笑い合いたくて』
~飯島優里亜~
土曜日に行われた体育祭、天気は見事に晴れた。
朝から種目は着々と進んでいき、あたしは午後一発目にある応援合戦を終えた後、この後行われる借り人競争に出るため、入場門の先頭に並んでいた。
「優里亜ちゃんも出るんだね」
「そうだけど」
隣に並ぶ甘いマスクの矢田部桜介は、今日も余裕の表情で微笑んでいる。