色彩わるつ。
「飛び上がりそう」
「……私も」
「キホと付き合えるとか……奇跡だろ」
なん度挫けそうになっても、諦めきれずに、目で追ってばかりで。
触れることなんて無理、素直に話せないことも多かった。
でも強がって、そっぽ向いても、内心じゃあキホのことばっか。
「俺、ベタベタしたらごめん」
「……程々に」
「嬉しくて、どうにかなりそう。軽くパニック」
こんなになにかで心が満たされたのは初めての経験で、俺はキホを見てようやくにっこり笑うことができた。