私のお兄ちゃん season1
次の休み時間、トイレに向かった玲蘭たち。
さくらやもみじは先程の出来事に対して怒りを露わにする。
「本当授業妨害やめてほしい。」
「ね。クズって呼ばれても仕方ないよね。あんな奴ら。」
「でも、先生が生徒に対して言うのは違うと思うんだけど。」
玲蘭の言葉に皆んなこわい顔で反応した。
「さすが生徒会長は誰にでも優しいわねー。」
「ね。」
「だって、自分がクズだなんて言われたら、悲しいじゃない。」
「玲蘭、まさか、朝比奈や加賀美のこと好きだったりするわけ?」
さくらに言われて玲蘭は首を振る。
「違う。でも、排除するようなやり方は違うな、って思うだけ。」
「授業妨害するやつらなんて排除されて当然だと思うけど。」
「そうだよ。」
こんな反応だから玲蘭はとうとう引っ越しの日までみんなに伊織のことは話せなかった。
引っ越しの前日は生徒会の集まりがあり、生徒会室へ向かうと、生徒会メンバーが迎えてくれた。
「あ、玲蘭。お疲れ様。」
「お疲れ様。奈々、似奈。」
生徒会は生徒会長、副会長、書記2人、会計1人の5人で構成されている。
生徒会長 雨宮玲蘭 3年
副会長 福田奈々 ふくだなな 3年
書記 河西似奈 かさいにな 3年
会計 木風修也 きかぜしゅうや 2年
書記 八木智之 やぎともゆき 2年
というメンバーだ。
今日は5人集まり、次の全校集会の目次とテーマについて話し合った。
「そろそろ、このメンバーでのラストの仕事、文化祭があるわね。」
奈々が言うと玲蘭が頷く。
「今年も2部の出し物。そろそろ次の集会で募集要項について説明しておこうか。」
「あと、次期選挙の公示についても。」
玲蘭が言うとなんだか、しんみりする。
「雨宮さんたちが卒業なんて寂しすぎます。」
修也がため息混じりに言う。
「そんなこと言わずに次期会長に立候補してよ。2人とも。」
「いや、僕はとてもとても。」
修也は首を激しく振る。
「先輩たちと創り上げる最後の文化祭。頑張ります。」
「うん。頑張ろうね。」
玲蘭たちはそのあとも話し合いをすすめ、17時になると、生徒会室の鍵を返して帰宅した。
夕方の体育館に、バスケのドリブルの音が響く。
去年同じクラスだった林田がまだ練習していた。
「今年は地区大会、勝ち進んでるんだって。バスケ部。」
「そうなんだね。」
似奈からそう言われて、玲蘭は入学した手の頃の伊織を思い出した。
あのころの伊織の笑顔はとても、優しくて、澄み切っていた。
きっと伊織の心になにか影を落とすような出来事があったのだろう。
伊織の優しさに何度も触れているから、みんなが言うような人だとは思えないのだ。
玲蘭はそう考えながら帰路についた。
さくらやもみじは先程の出来事に対して怒りを露わにする。
「本当授業妨害やめてほしい。」
「ね。クズって呼ばれても仕方ないよね。あんな奴ら。」
「でも、先生が生徒に対して言うのは違うと思うんだけど。」
玲蘭の言葉に皆んなこわい顔で反応した。
「さすが生徒会長は誰にでも優しいわねー。」
「ね。」
「だって、自分がクズだなんて言われたら、悲しいじゃない。」
「玲蘭、まさか、朝比奈や加賀美のこと好きだったりするわけ?」
さくらに言われて玲蘭は首を振る。
「違う。でも、排除するようなやり方は違うな、って思うだけ。」
「授業妨害するやつらなんて排除されて当然だと思うけど。」
「そうだよ。」
こんな反応だから玲蘭はとうとう引っ越しの日までみんなに伊織のことは話せなかった。
引っ越しの前日は生徒会の集まりがあり、生徒会室へ向かうと、生徒会メンバーが迎えてくれた。
「あ、玲蘭。お疲れ様。」
「お疲れ様。奈々、似奈。」
生徒会は生徒会長、副会長、書記2人、会計1人の5人で構成されている。
生徒会長 雨宮玲蘭 3年
副会長 福田奈々 ふくだなな 3年
書記 河西似奈 かさいにな 3年
会計 木風修也 きかぜしゅうや 2年
書記 八木智之 やぎともゆき 2年
というメンバーだ。
今日は5人集まり、次の全校集会の目次とテーマについて話し合った。
「そろそろ、このメンバーでのラストの仕事、文化祭があるわね。」
奈々が言うと玲蘭が頷く。
「今年も2部の出し物。そろそろ次の集会で募集要項について説明しておこうか。」
「あと、次期選挙の公示についても。」
玲蘭が言うとなんだか、しんみりする。
「雨宮さんたちが卒業なんて寂しすぎます。」
修也がため息混じりに言う。
「そんなこと言わずに次期会長に立候補してよ。2人とも。」
「いや、僕はとてもとても。」
修也は首を激しく振る。
「先輩たちと創り上げる最後の文化祭。頑張ります。」
「うん。頑張ろうね。」
玲蘭たちはそのあとも話し合いをすすめ、17時になると、生徒会室の鍵を返して帰宅した。
夕方の体育館に、バスケのドリブルの音が響く。
去年同じクラスだった林田がまだ練習していた。
「今年は地区大会、勝ち進んでるんだって。バスケ部。」
「そうなんだね。」
似奈からそう言われて、玲蘭は入学した手の頃の伊織を思い出した。
あのころの伊織の笑顔はとても、優しくて、澄み切っていた。
きっと伊織の心になにか影を落とすような出来事があったのだろう。
伊織の優しさに何度も触れているから、みんなが言うような人だとは思えないのだ。
玲蘭はそう考えながら帰路についた。