私のお兄ちゃん season1
洋一に指摘されてイライラしながら家に帰った伊織。
家に着くと、志穂がいて、冷静さを取り戻した。
「おう、志穂。」
「おかえり、伊織お兄ちゃん。」
「学校、遠くないか?」
「うん、全然大丈夫。」
志穂は6年生になるまでの間、学校の勉強の進み具合を考慮して、越境通学を認めてもらうことになり、西小学区から北小まで通っている。
「伊織兄ちゃん、勉強、教えてくれない?」
「いいよ。」
「やった。」
玲蘭が、生徒会が終わり帰宅すると、伊織と志穂が仲良く勉強していて、ホッとする。
「あ、おかえり、お姉ちゃん。」
「ただいま。志穂珍しい。勉強してたの?」
「うん、伊織お兄ちゃんも頭いいんだね。」
「おう、西小で一番だったからな。」
「ごはん、作るね。」
「手伝うよ、俺も。」
伊織と2人で、夕食を作る。
一人で作るより、楽しく作ることができたし、すぐに出来上がった。
両親も帰宅して、みんなで食卓を囲んだ。
「美味しい。これ、玲蘭が?」
「これは作ったのは伊織よ。」
「でも、レシピは玲蘭が、ネットで。」
「すごいな、二人とも。ありがとうな。
ケーキ、買ってきたぞ。」
「もしかして、パティスリーHelloの?」
志穂は目を輝かせた。
「志穂はなにもしてないから選ぶの最後だぞ?」
伊織が言うと志穂はぶーたれた。
笑いが起こり、ファミリーってこんな感じの空間が幸せなんだと、玲蘭は実感した。
ステップファミリーなのに、仲良くできそうで、玲蘭も志穂も、安心感を膨らませた。
「玲蘭、この前みたいって言ってたDVD、洋一が持ってたから借りてきたぜ?」
「じゃあ、あとで部屋行くよ。」
「おう、待ってる。」
玲蘭はお風呂を済ませ、パジャマに着替えて、伊織の部屋へ。
見たいと思っていた映画なのに、生徒会での疲れが溜まって、まぶたが重たくなる玲蘭。
そんな玲蘭の身体のゆらめきに気づいた伊織は、肩に玲蘭が寄りかかってきた瞬間にバランスをとり、暫く肩で玲蘭を寝かせておいた。
スースー寝息を立てている玲蘭の息すら可愛くて、ずっと見つめていた。
住む世界が違ってしまったと思ったのに
こんなに近くに来て触れてしまった。
伊織の中の隠していた気持ちが、溢れ出そうだった。
ずっと。このまま。
誰にも内緒のまま。
独占できたらいいのに。
伊織の気持ちがコソコソと騒ぎ出す。
少し癖のあるウェーブヘアも、いつもは三つ編みで隠しているし、
会長としてしっかりしているイメージのために、こんな無防備な顔は学校では見せない。
自分だけ。自分だけなのだ。
伊織は、幸せだった。
次の瞬間、映画が終わったからか、玲蘭は目を覚ましてしまった。
「はっ、ごめん、わ、わたし。寝ちゃってた。し、しかも肩.......。ごめんなさいっ!」
「なんで、謝んの?」
「だって逢沢さんっていう彼女がいるのに。よくないよね、こういうこと。」
「いや、玲蘭、それは...。」
「と、とにかく、ごめんなさい!!!!!」
玲蘭は慌てて部屋を出ようとしてドアに近づく。
すると、ドアを開けようとした瞬間、伊織はドアを無理矢理閉じた。
玲蘭が振り向くと、壁に手をついて、伊織は玲蘭をホールドした。
「い、いおり?」
伊織はじっと、玲蘭の目を見る。
玲蘭の頭の中はパニックだった。脈の音だけが頭の中に響いている。
すると、一階から母の声がした。
「玲蘭ー、伊織くーん、そろそろ寝なさいよー。」
「はーい。」
伊織は返事をした。
そして、ホールドしていた手を離し、ドアを開けた。
「おやすみ、玲蘭。」
「お、おやすみ......。」
玲蘭は自分の部屋に戻っても、先程の出来事が頭から離れなかった。
伊織もその夜はすぐには寝付けなかった。
家に着くと、志穂がいて、冷静さを取り戻した。
「おう、志穂。」
「おかえり、伊織お兄ちゃん。」
「学校、遠くないか?」
「うん、全然大丈夫。」
志穂は6年生になるまでの間、学校の勉強の進み具合を考慮して、越境通学を認めてもらうことになり、西小学区から北小まで通っている。
「伊織兄ちゃん、勉強、教えてくれない?」
「いいよ。」
「やった。」
玲蘭が、生徒会が終わり帰宅すると、伊織と志穂が仲良く勉強していて、ホッとする。
「あ、おかえり、お姉ちゃん。」
「ただいま。志穂珍しい。勉強してたの?」
「うん、伊織お兄ちゃんも頭いいんだね。」
「おう、西小で一番だったからな。」
「ごはん、作るね。」
「手伝うよ、俺も。」
伊織と2人で、夕食を作る。
一人で作るより、楽しく作ることができたし、すぐに出来上がった。
両親も帰宅して、みんなで食卓を囲んだ。
「美味しい。これ、玲蘭が?」
「これは作ったのは伊織よ。」
「でも、レシピは玲蘭が、ネットで。」
「すごいな、二人とも。ありがとうな。
ケーキ、買ってきたぞ。」
「もしかして、パティスリーHelloの?」
志穂は目を輝かせた。
「志穂はなにもしてないから選ぶの最後だぞ?」
伊織が言うと志穂はぶーたれた。
笑いが起こり、ファミリーってこんな感じの空間が幸せなんだと、玲蘭は実感した。
ステップファミリーなのに、仲良くできそうで、玲蘭も志穂も、安心感を膨らませた。
「玲蘭、この前みたいって言ってたDVD、洋一が持ってたから借りてきたぜ?」
「じゃあ、あとで部屋行くよ。」
「おう、待ってる。」
玲蘭はお風呂を済ませ、パジャマに着替えて、伊織の部屋へ。
見たいと思っていた映画なのに、生徒会での疲れが溜まって、まぶたが重たくなる玲蘭。
そんな玲蘭の身体のゆらめきに気づいた伊織は、肩に玲蘭が寄りかかってきた瞬間にバランスをとり、暫く肩で玲蘭を寝かせておいた。
スースー寝息を立てている玲蘭の息すら可愛くて、ずっと見つめていた。
住む世界が違ってしまったと思ったのに
こんなに近くに来て触れてしまった。
伊織の中の隠していた気持ちが、溢れ出そうだった。
ずっと。このまま。
誰にも内緒のまま。
独占できたらいいのに。
伊織の気持ちがコソコソと騒ぎ出す。
少し癖のあるウェーブヘアも、いつもは三つ編みで隠しているし、
会長としてしっかりしているイメージのために、こんな無防備な顔は学校では見せない。
自分だけ。自分だけなのだ。
伊織は、幸せだった。
次の瞬間、映画が終わったからか、玲蘭は目を覚ましてしまった。
「はっ、ごめん、わ、わたし。寝ちゃってた。し、しかも肩.......。ごめんなさいっ!」
「なんで、謝んの?」
「だって逢沢さんっていう彼女がいるのに。よくないよね、こういうこと。」
「いや、玲蘭、それは...。」
「と、とにかく、ごめんなさい!!!!!」
玲蘭は慌てて部屋を出ようとしてドアに近づく。
すると、ドアを開けようとした瞬間、伊織はドアを無理矢理閉じた。
玲蘭が振り向くと、壁に手をついて、伊織は玲蘭をホールドした。
「い、いおり?」
伊織はじっと、玲蘭の目を見る。
玲蘭の頭の中はパニックだった。脈の音だけが頭の中に響いている。
すると、一階から母の声がした。
「玲蘭ー、伊織くーん、そろそろ寝なさいよー。」
「はーい。」
伊織は返事をした。
そして、ホールドしていた手を離し、ドアを開けた。
「おやすみ、玲蘭。」
「お、おやすみ......。」
玲蘭は自分の部屋に戻っても、先程の出来事が頭から離れなかった。
伊織もその夜はすぐには寝付けなかった。