私のお兄ちゃん season1
先生が動き出そうとしたところ、奈々が壇上にあがって、玲蘭からマイクを奪った。



「くだらない噂で、私たちの会長をなじるのはやめてください。


恋愛関係のゴタゴタが仮にあったとしても、それが生徒会活動に何が関係があるの?



あなたたちこそ、輪を乱す行動は謹んでください!」



「奈々。やめて。大丈夫だから。」



「玲蘭。」



「ちゃんと、話すから。」




そのやりとりを全校生徒は見守った。



「みなさん、SNSで、私と朝比奈くんのことが話題になり、騒ぎになってしまい、申し訳ありませんでした。


会長として、きちんと皆さまの見本となれるように、今一度、自分自身を省みて、
誤解を受けるような行動は謹みたいと思います。


中学三年生は秋の文化祭が受験前に行う、最後のクラス行事となります。
それぞれ、悔いのないように、思い出を作りましょう。



最後に今後も生徒会の活動にご協力、よろしくお願いいたします。



以上です。
本日は騒ぎを起こして、申し訳ございませんでした。」



玲蘭は深く頭を下げた。



すると一部の生徒から拍手が漏れてきて、それが全体に広がった。



玲蘭はまた目を潤ませて、頭を下げた。



奈々が肩を持って、玲蘭を支えた。



玲蘭は生徒会メンバーのもとへ戻り、修也が1年生から順番にクラスへ戻るようにアナウンスを、始めた。



皆んなが退出してる間、生徒会メンバーは体育館の隅で話をしていた。



「よくがんばりましたよ、会長。」



「ありがとう。みんな。本当にごめんね。」



「でも、あいつら、酷いっすね。公開処刑みたいなことして。」


智之がそう言ったが、
玲蘭は、被害者面もできなかった。



伊織とキスしていたことは事実だ。



この先の身の振り方を、考えなければならないと思うのだった。
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