私のお兄ちゃん season1
一方で玲蘭は教室に戻る途中、担任の高橋に話しかけられた。


「雨宮さん!」


「先生。」


「大丈夫?」


「ええ、集会の時はご心配おかけしました。」



「あの、それで、雨宮さん、あの朝比奈くんとの噂は...。」



「誤解です!」



「そうよね?あなたたち、血が繋がっていないとはいえ、兄と妹なんだから、そんなこと、しないわよね。」



「はい。多分、急に仲良くなったから誤解が産まれたんだと思います。心配かけて、すみませんでした。」



口から出まかせ、というのを初めてしてしまったかもしれない。



玲蘭は真面目に生きてきたはずなのに、先生に嘘をついたのが嘘みたいだった。




「誤解になるような行動は謹みます。」



「ご両親から、再婚のことは伏せておくように連絡いただいたから、私と事務の人だけしか、まだ知らない状態にはしてある状態だけど、

今回みたいにちょっとしたことですぐに騒ぎになってしまうから、やっぱりこのまままだ伏せておいたほうが良さそうね。」


「はい、ご迷惑おかけしてすみません。」



玲蘭は深く礼をして、先生を見送った。



楓がその場面を目撃し、影に隠れた。




(伊織と雨宮がきょうだい...?)
< 39 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop