ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
だが、3周目の今回こそは顔を見て彼女が伝えようとすることを懸命にくみ取ろうと努力し始めたルーカスには、レイラの意思を捕まえることができた。
レイラが自ら何かやりたいだなんてルーカスに乞うことがここまで繰り返した人生でも一度もなかった。なかったんだ!
だから、あっさり折れた。
「俺から離れないと約束できるなら」
レイラがコクンと頷いた。ルーカスは大好き過ぎる婚約者からのおねだりに全く抗えずに、女連れで尾行を開始することになった。実に愛にポンコツである。
レイナは目立たないように軽装で、輝き過ぎるシルバーの髪を綺麗にまとめて帽子に隠して城下町へと繰り出した。
だが、美々しいレイラの美貌がそんな帽子一つで隠れるわけもなく、街中を歩けば自然と視線を集めていた。
ルーカスも視線を持っていかれる一人なので、二人で尾行はまるで隠れておらず。
(何してんだろな、あの二人は)
昼頃に部屋を一歩出たアイザックには、即バレていた。