ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
カウンターの後ろ席に案内されたレイラがきょろきょろと店内を見回して忙しそうにしているのを、正面に座ったルーカスはうっとり眺めていた。
レイラが落ち着き、メニューを眺め、お菓子と紅茶を指さすまでたっぷり10分はかかったが、ルーカスが急かすことは一度もなかった。
(遅い!!すべてが遅い!)
アイザックはすでに一杯の紅茶を飲んでしまった後だ。二人の時間の流れの遅さに辟易してしまった。
(てか、会話!せっかくデート来たのに会話しようよ会話!ルーカス様、話題!)
二人が向かい合う真横のカウンター席に座っているアイザックは、じれったくて首回りが痒くなってきた。コミュ強のアイザックは相手を楽しませようとあれやこれやと仕掛けるのが好きだ。
だがルーカスは何もしない。敢えて言うなら何もしないをしているのだろうが、どうせ天然だろう。もうじれった過ぎてアイザックはぐったりしてきた。
「その菓子を気に入ったか?」