ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─


「お兄ちゃんリボンありがとう!お礼にこれ、私が書いた手紙あげるー!」

「ありがとう、シリル」

「シリルね、お兄ちゃんに毎日言いたいこといっぱいあるんだけど、会えなくて言えないから手紙に書いておいたの!えらいでしょ?」


シリルが小さな紙きれに書いた手紙をアイザックに手渡す。シリルはベッド脇の引き出しから何枚も書き溜めた紙をアイザックに見せた。



「俺、シリルの手紙をいつも持ってるよ」

「え!そうなの?」



手紙という名の紙切れを受け取ったアイザックは、騎士服の懐から紙束を取り出して嬉しそうに笑った。新しくもらった紙切れを合わせて紙束はまた厚くなっていく。


「シリルの声が聞こえない時でも、これ見るとお兄ちゃん元気出るんだよ。いっぱい気持ちが伝わってくる」

「そうでしょ、そうでしょ!お兄ちゃんありがとうって、いっぱい書くね!」


レイラがルーカスの手をぎゅっと握ると、ルーカスはレイラの顔を見て微笑んだ。


「帰ろうか」


コクンとレイラは深く頷いた。アイザックにはレイラを殺す動機がまるでない。レイラを殺してしまえば成功報酬がなくなって、アイザックは損をしてしまう。


アイザックは妹のためにお金が欲しいだけだ。


レイラが生きた方がアイザックにとっては得になるのが明白である。彼に尾行の必要なんてまるでなくて、レイラは逆にもっと賞与を払いたくなった。

< 117 / 268 >

この作品をシェア

pagetop