ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
日が傾きかけた街中を、ルーカスとレイラは並んでゆっくりと歩いていた。


「アイザックが、犯人じゃなくて良かった」


ルーカスの安堵した声に、レイラはコクンと頷いた。


アイザックのことを怖いだなんて思ってしまったが、彼はただのコミュ強でレイラのわからないことに気がつき、さらに危険に鼻が利く優秀な番犬。


そして、ただの優しいお兄ちゃんだった。


レイラはルーカスの手をきゅっと握って足を止めた。病床で戦いながら、寂しくてもきちんと兄の帰りを待っているアイザックの妹の言葉がレイラの耳に残っていた。


『お兄ちゃんに毎日言いたいこといっぱいあるんだけど、会えなくて言えないから手紙に書いておいたの!』


アイザックの妹はその細い体で一生懸命がんばって感謝を伝え続けていた。


(あんなに幼い子が伝える努力を怠らないのに、私はとんだ甘ったれですわ)


彼女の言葉がレイラに勇気を与えてくれた。



「レイラ、どうかしたか?」

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