ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
レイラが自ら口を開くのは一日に一度程度だ。
もし疲れていたとして、色々考え込むレイラが疲れたなどと言い出せるわけがない。ルーカスは気を使ったつもりだが、レイラにとっては何の意味もない気遣いだとルーカスは気づいた。
これぞ成長である。
ルーカスは立ち止まり、隣で同じように立ち止まったレイラの青い瞳を覗き込んだ。
「言い直す。もし疲れたとか、伝えたいことがあったら、私の人差し指を握って欲しい」
(人差し指を握る?)
「それならできそうか?君の負担がないようにしたい」
口が重いのを思いやって、合図を考えてくれたルーカスにレイラは感激して胸がキュンキュンした。こんなルーカスのどこがポンコツなのかレイラにはまるでわからない。
(本当になんて、なんてお優しいのかしらルーカス様!)