ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
噴水の縁に二人で並んで腰かけて、明るい月を見上げた。
(私、本当にこんな素晴らしい方の婚約者でいられて、幸せですわ。
ルーカス様はそのままでおっしゃってくださいますが、私はこんな自分は許せません。
お優しいルーカス様の隣で恥ずかしくないようにいっぱい、いっぱい……)
ルーカスが満ち足りた気持ちで月を眺めていると、人差し指がきゅっと握られた。まさか疲れてしまったかとレイラの顔を見ようとすると、レイラの頭が肩にこてんと乗ってきた。
「えぇ?!レイラ?!」
いきなり肩に頭をもたげてきたレイラにあまりに驚いたルーカスは、思わず後ずさり、噴水の縁から尻がずれた。
「うぁ!」
ずれた尻から背中まで噴水に落ち込んで、着水してしまう。ルーカスにこてんと身体を預けていたレイラもそのまま噴水に落ちた。
「わ、あああ!すまない、レイラ!」
レイラを支えることすらできず情けなく噴水に背中から落ちたルーカスの膝の上に、レイラがぐったり墜落した。水にぐっしょり濡れてしまったというのに、レイラは目を瞑ってすーすー寝息を立てている。
「ね、寝てるのか?レイラ?」
ルーカスに肩をもたげたレイラは突如として眠ってしまったようだ。しかし、水に落ち込んでもまだ寝ているとはどういうことだ。ルーカスは慌ててレイラを抱き上げて部屋へと連れ帰った。