ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
ルーカスは眠るレイラの頬に指を伝わせる。滑らかな肌の感触に欲が背筋を這い上がった。
「俺には、言えないことなのか?」
隣にいるだけで十分だった。なのに、目を見て話すようになればもっとレイラのサインを見つけたくなって。心を書いてみせてくれるようになればもっと心の声を聞きたくなった。
肝心なことを教えてくれないレイラを前に、もっと一番深く、彼女を知っていたい欲が大きくなっていく。
ルーカスの胸に欲が明確な形として現れる度に、レイラから出た「婚約破棄」の言葉が頭を過ぎる。
今まで繰り返した時間の中でも、3周目の今回は特別に仲良くなれたつもりだ。
だが、ルーカスはレイラにとって所詮、婚約破棄したい男。