ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
ルーカスがなんとか取り繕おうと喉を擦ってジェスチャーする。
大臣夫婦が不審に思って何か言おうとしたが、澄んだ声色に遮られた。
「エイルマー様」
人形令嬢と有名なレイラが微笑ともとれるほど顔を崩し、耳をくすぐる声を発したので大臣夫婦は仰天した。レイラが口を利かないと知っていたので、返事を期待していなかったのだ。
「失礼ながら、殿下は喉の調子がお悪くて、失礼でなければ私がお話しても?」
一日一文が常のレイラは声が震えないように気をつけながら、あっさり今日の一文を生成してしまう。
しかし、沈黙地獄に突入するわけにはいかない。ベルとアイザックとお喋りの練習をたくさんして身に着けた。
ここから始まるレイラの身体を削った秘儀「前借り」である。