ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
「おい、お前。そんなに引き留めては迷惑だろう」
(もっとお話してくださった方が、助かりましたのに……)
「まぁまぁ私ったらごめんなさいね。良ければまたお話させてくださいねレイラ様」
大臣の機転により、レイラは解放されてしまった。エイルマー夫人は一人で話してくれてとても間が持った。
(と、とりあえず乗り切れたでしょうか?)
レイラは通常真顔に切り替えて細い細いため息を吐く。ベルに毎日毎日お顔マッサージされて固まり過ぎた表情筋をふにょふにょになるまで揉んで表情訓練をした。
外面最高のベルに笑顔の作り方を教えてもらい、すでに頭に入っている貴族の定型句を口に出す発声練習もやり込んだ。できるだけ少ない言葉で人を受け流す方法も。ベルとアイザックと訓練した日々の賜物だった。
(ど、ドキドキいたしましたわ……わ、私ちゃんとできていたでしょうか)