ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
レイラがぐるりと会場を見回すと、遠くでベルが親指をグッと上げてにっこりしていた。レイラは肩を上から下まで撫でおろして安堵した。
レイラの一連の動きをじっとり隣で観察していたルーカスは、今一体誰と目で合図したのかを探して周囲を睨みつけた。
背の低いベルが目に入らず、手前の男や右の男や左の男、さらに向こうのアイザックにまでメンチを切る。
(スタートは悪くありませんでしたわ。きっと大丈夫。何とかなりますわ。ルーカス様のためなら、明日この身がどうなろうと構いません)
顎を引いたレイラがつんとルーカスの袖を引いた。次の人が目を爛々と輝かせて第二王子に声をかけられるのを待っている。パーティは始まったばかりだ。