ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
ラスボス王太子
嫉妬で視界が狭かったルーカスはレイラの異常に気付くのが遅れてしまったことを恥じる。
声が出なかったが、レイラの背に手を添えて中庭へと誘導しようとした。
だが、パーティ会場を出ようとした二人の前に影が立ちふさがる。
「久しぶりルーカス!レイラ嬢!」
颯爽と登場した王太子ウィリアムに、ルーカスとレイラは血の気が引いた。
マジで今、一番出て来て欲しくなかった相手だった。
一番イヤなタイミングで、一番イヤなことをしてくる。
それが長兄、ウィリアムだ。
「なんか今日はレイラ嬢とお喋りできるってみんな湧いてるね。まさか僕と話さないまま帰るとかないよね?」
声は死んでて嫉妬に狂って冷静じゃないルーカスと、お喋り前借りの副作用で失神寸前のレイラ。
ルーカスもレイラも瀕死状態、からのラスボスである。