ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
ウィリアムは外交の天才と呼ばれるほど、頭の回転速度も口の回りも特別に優秀な人物だ。そんな相手に一番痛いところを突かれて怯んだレイラが、反論なんてできるわけがなかった。
まだ話し始めたばかりのヒヨッコレイラと外交百戦錬磨の手練れだ。相手が悪いどころか、対戦にもならない。
「ルーカスと別れたいなら、僕が穏便に運んであげるよ?
次の婚約者も探してあげる。
お互い不器用で、別れ話すらできなさそうだからね」
(別れ話、つ、次の婚約者?)
ウィリアムが次々にぶち込んでくる刺激の強い単語にレイラは頭が真っ白だ。口に鍵がかかったように動かなかった。
あんなに訓練したのに、何もできない。悔しくて、情けなくて、虚しさが襲って来る。
レイラの目頭に涙が溜まっていく。