ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
見目麗しく貴族の礼儀はすでに完璧なレイラだ。
重すぎる口を飼いならす方法を身に着け、図書館の本を全読みし続けている教養の高さを披露するようになれば、女神すら塵にみえる存在となるとルーカスには余裕で想像できる。
想像するだけで、ルーカスの奥歯がギリリと無意識に音を立てた。
顔を口も動かないレイラの本当の美しさなど、ルーカスだけが知っていればいいものを、余計なことをしてくれたとさえ思う。
「お兄様から掻っ攫う誰かが出てきたりしてー!」
ベルが冗談を言ってクスクス笑う。ベルはレイラにお姉様になって欲しいのだから、冗談に決まっている。だが冗談が通じないルーカスがどんと床に足を置いて威嚇した。
「それで?この体調不良はどう説明する」