ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
口元に手を当てて考え込むルーカスを横目にアイザックも首をひねる。
「さっきのパーティでもあからさまに意地悪でしよね?」
「兄様か……あの人は俺の嫌がることをするのが好きで。元からああだからな」
「言いたいことはわかりますけど、信じられないくらいドス黒いですよ?お友だちにはなれない人です」
「だろうな。俺が知ってる限り、元からだ」
アイザックの危険察知能力の矛先は、ウィリアムに向いていた。大ため息をついたルーカスは、アイザックに命令した。
「これからは夜もお前に護衛を頼む。昼はお前の鼻で信頼できるものと交代で休め」
「あれ?夜はルーカス様が担当なさるのでは?」
「そうしたいのは山々だ。だが、兄様が帰ってくると朝も夜もなくなる。来賓の件があるからだ」
「イーリス国からの来賓ですよね?何しに来るんですか?」
「……顔合わせだ」
(何のための?)
アイザックは深く追求したかったが、ルーカスが眉間に皺を寄せるので黙った。非常にメンドクサイ件であることは明白だった。