ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
「とにかく俺は多忙で自由に動けなくなる。王族の責務だ」
「レイラ様の死亡予定日が迫ってるって言うのに、タイミング最悪の迷惑なお兄さんですね」
「仕方ない。そのためにお前がいる」
レイラの死の予定日が近づき、ルーカスは緊張が高まる。アイザックは告白しろというが、その前にレイラが死んでしまっては意味がない。ルーカスは死の回避に焦点を絞る。
「いいか、何度も言うが
1度目は次の聖なる夜のパーティの後。
2度目は今日のパーティの後、ひと月後に
レイラは死んでしまっている。
死因は、刺殺だ」
ルーカスの脳裏に真っ白の美しい顔をして、首を割かれて血に染まるレイラが浮かぶ。その姿を思えば、何度でも冷たい汗が背を伝う。
「目を離すなよ、アイザック」
「御意です」
アイザックが緊張した面持ちで頷く。アイザックを信用するしかない。
ルーカスはさらに、これから降りかかる兄の命令を思うと憂鬱だった。
過去2度同じ命令を与えられ、レイラの死までに碌な対応をできたことがないからだ。