ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
にっこり笑ったウィリアムに、ベルがまたぐぬぬと唇を噛みしめる。レイラをいじめる気満々なのがにじみ出ているウィリアムと二人きりになんてできない。
ルーカスで遊びたいならレイラを弄れ、だなんてウィリアムは当然心得ている。
なんとか居残ろうとベルが口を開く一歩前に、ウィリアムが命令する。
「退室しなさい、ベル」
「お兄様、その……!」
「ベル」
べらべら話す必要はなく、ピシャリと威厳だけで事を押し通す。ウィリアムの圧にベルはすごすご退室しようとした。だが、ベルの背にまたウィリアムの声が飛ぶ。
「ベル、ご挨拶は?」
厳しい声に止められて、ベルは再びウィリアムをふり返り、丁寧に挨拶をしてから辞した。一番上のお兄様、マジ怖い。
ベルは悔しさを飲み込んで、早足で休憩中のアイザックを呼びに行こうとする。だが、ピタリと立ち止まった。
(いや、アイザックじゃダメだわ!お兄様の前に騎士はあまりに無力!)
ベルは方向を変えた。