ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
(兄様がレイラを殺すとは思えないが、国の為なら手段を選ばない人であることは知っている)
図書館でレイラに対して『消えてもらうから』というあまりに生々しい言葉が、ウィリアムから出るのを聞いてしまった。
これは無視できない。
過去2回と違う未来をつかみ取るために、ルーカスはウィリアムと全面的に戦う姿勢を取った。ルーカスは上手に立ち回ることなどできない。猪突猛進の直談判を繰り返している。
「まさか従順な弟がこんなにごねるとは思わなかったよ。そんなにレイラ嬢のこと好きなの?」
「はい」
「じゃあさっさと結婚しとけばよかったのに。レイラ嬢もルーカスも初動が遅いんだよ」
ウィリアムは執務椅子に深く座って、紅茶を手にフゥと深い息を吐く。
突然降ってわいた隣国イーリス国の王女との婚約に、ルーカスは大反対だ。だが、縁談を持って外交の旅から帰ってきたウィリアムにも理由がある。
「僕が急に縁談を持ってきた理由を察することはできる?」
「俺への嫌がらせですか?」
「ハハ!それは楽しいね!」