ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
ウィリアムは腹の底からゲラゲラ笑って首を振る。
「他には?」
「王族同士の婚姻はイエール国との和平恒常化のためです」
「もちろん、それだよ」
「ですが、それほどイエール国との関係が悪いとは思いませんが」
「だよね。でも平和に見えてるはずなのに、なんか最近おかしいなーってこと思い浮かぶでしょ?ルーカスなら」
ウィリアムの問いに、ルーカスは思いつくことがある。改めて言われてみると、おかしいことは点々とあった。
「王立劇場の爆破事件と犯罪件数の増加でしょうか?」
「正解。実は劇場爆破事件の犯人はとっくに捕まってるんだけど、僕が伏せてたんだ」
ウィリアムは調査報告書の束をルーカスに手渡す。ルーカスは報告書をぱらぱらとめくって次々と新しい事実を知ることになった。
「むやみに不安を煽りたくないしね。僕の外交回りで解決できるかと思ってたんだけど、無理だった。ごめんね」