ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
ごめんねと言いつつ悪びれないウィリアムが、ペラペラと秘め事を話し出す。
「公表してないけどあの爆破事件、イエール国の仕業。
我が国に挑発をしてきてる」
「挑発?」
ウィリアムは立ち上がってコツコツとルーカスの回りを歩き出した。
「我が国の犯罪発生率が上がって急に治安悪化しているのも、イエール国からの揺さぶりだよ」
「……レイラの家にも強盗が入りました」
「公爵家を狙ったんだろうね。貴族の背後を取ってるよって匂わせさ。
窃盗、放火、そういう目に見えないほどの小さな攻撃、嫌がらせ行為が続いてる。
お前の国にはすでに何百と入りこんでて、いつでもヤれるぞってこと」
「申し立てをしなければ」
「当然、ネチネチ文句を言って回ったさ。ほとんどそのために出かけていたところがある」
ウィリアムはルーカスの肩に肘を置いて、うんざりと片眉を高く上げた。
小さな我が国を平穏に守りたいだけなのに、イエール国も弟さえも、ウィリアムにたてついてくる。イラッとして弟の可愛い婚約者殿に嫌味も言いたくなったのだ。
「イエール国は軍事国家で血の気が多い。攻められれば小国のうちはすぐ終わり。うまく立ち回るしかないだろ」