ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
「そのために俺がイエール国の王女と婚約を?」
「そう。まあ向こうも一枚岩じゃなくてっていろいろあるみたいだけど、簡単に言えば縁談結ぶなら、仲良くしてやってもいいよだって。
本当に腹が立つよね、やってられない」
ウィリアムはルーカスの肩に体重をかけるのをやめて、ソファにどんと座り直して行儀悪くテーブルの上に足を置く。王太子だって大きな国にデカい顔されて腹が立つ。
だが、我が国の国民のためだ。
私情は置いておく。ルーカスは蚊帳の外だった現状を聞いて、口を噤んだ。
過去2度とも、ウィリアムはこのことを明かさなかった。ルーカスが強く抵抗しなかったからだ。
ただ単にレイラが好きだからと断れる婚約問題ではなくなっていた。
「僕が結婚してあげられたら丸く収まったけど、正妃はもう決まってるから」
時期の悪いことに、ウィリアムはすでに結婚した後だ。イエール国としては自国の王女を側妃に置かれるよりも第二王子の隣がご所望だという。
「ルーカスが僕に必死に頼み込んで繋いだ婚約だったし、可愛い弟の初恋……叶えてあげたかったけどね。王族の責務ってやつだ」