ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
今出会うのが運命だったとしか思えない。
きっとルーカスが巡ってきた時間の、どのレイラも、この本を読んでしまったはずだ。
(まさかこの本のせいで…?)
レイラが自ら動き出して本をめくったので、アイザックは心底ホッとした。
周りの危険は全て排除しているが、レイラがこのまま衰弱死したら目も当てられない。アイザックはレイラが一人で集中できるように距離を置いた。
(こんなことってあるのかしら?)
レイラは立ち上がって、以前王立劇場に舞台を見に行くほどにハマった小説を取るために本棚の間に入って行った。
(でも、そう考えれば全て辻褄があってしまうわ)
目当ての推理小説を手に取り、ページをめくって急いでトリックを読み直す。
衝撃の結末はもちろん前と同じで
『犯人は、殺されたはずの被害者』だった。
(わかってしまうもの。そうしてもおかしくないって。私ならそれを選ぶって)
レイラは腰が抜けて、本棚の間でへたり込んでしまった。
(ルーカス様がおっしゃった、私を殺した犯人は……私?)