ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
正確には座り込んでいただけだが、ルーカスの過大解釈は愛ゆえだ。
どんどんと無遠慮なノックをルーカスが続けると、鍵が開く音がしてドアが小さく開いた。ルーカスがホッとすると、ドアの隙間からレイラの青白い顔が覗く。
「レイラ、大丈夫か?」
レイラの真っ青な顔と泣いていたとわかる充血した青い瞳に、ルーカスの手が無意識に伸びる。だがレイラは後ずさりその手を避けた。
その反応は紛れもない拒否だ。
「どうか、したか?」
レイラとルーカスの間に、一気に冷たい空気が走ったことをさすがのルーカスでも感じた。真顔のレイラがぼろっと涙を零して、重々しい口を開いた。ルーカスに合わせる顔がない、という意を込めて。今日、全力の一文だ。
「ルーカス様にお会いしたくありません……ッ」