ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─

正確には座り込んでいただけだが、ルーカスの過大解釈は愛ゆえだ。

どんどんと無遠慮なノックをルーカスが続けると、鍵が開く音がしてドアが小さく開いた。ルーカスがホッとすると、ドアの隙間からレイラの青白い顔が覗く。


「レイラ、大丈夫か?」


レイラの真っ青な顔と泣いていたとわかる充血した青い瞳に、ルーカスの手が無意識に伸びる。だがレイラは後ずさりその手を避けた。


その反応は紛れもない拒否だ。


「どうか、したか?」


レイラとルーカスの間に、一気に冷たい空気が走ったことをさすがのルーカスでも感じた。真顔のレイラがぼろっと涙を零して、重々しい口を開いた。ルーカスに合わせる顔がない、という意を込めて。今日、全力の一文だ。


「ルーカス様にお会いしたくありません……ッ」

< 207 / 268 >

この作品をシェア

pagetop