ループ3周目の第二王子様！─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─

夜が更けるまで静かに、涙が尽きるまでレイラは泣いた。


今までの愚かなレイラたちを想って、巻き込まれたルーカスに申し訳なくて。そして、これから他の女性の隣を歩むルーカスとの決別に胸を引き裂かれた。



夜も更けきり、月が真上を過ぎたとき、レイラはやっと立ち上がった。覚悟は決まった。

やはりレイラは、今までのレイラたちと同じ道を選ぶ。



ルーカスの邪魔にならないように婚約破棄は受け入れなければいけない事実だ。

だが、ルーカスの隣ではない人生はいらない。



だから、この人生はここで終わり。



（でも監禁魔術を使ったルーカス様のループは、ここで終わらせますわ）



死を選びはするが、レイラは監禁魔術は使わない。ルーカスと一緒に暮らしたかけがえのない時間を、次のレイラにさえ渡したくなかった。


（この時間のここでの暮らしは、私だけの宝物ですわ。私が死の国へ持っていきます）


レイラは誰よりも嫉妬深かった。