ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─


レイラは死の準備をするために、書き物机を前に椅子に座った。机の上に大事に置かれた赤い交換日記の横で、便せんを開き、なぜレイラが死ぬことになったのかを書き記す。


レイラは横目で交換日記を見つめる。


(交換日記が始まった日はあんなに嬉しかった)


交換日記がしたいと想いを伝え、伝わった嬉しさに何度も交換日記を抱きしめた。たくさん気持ちを書き記して伝えた。ルーカスの返信は少なかったが、たくさん話をしてくれて、いつも優しかった。


(初めて図書館で出会ったときから、ルーカス様はとても優しくて)


何を読もうか決められずにうろうろしていたレイラとぶつかって、気遣ってくれた。

端から読めばいつかいい本にあたるのでは、と生真面目に一緒に考えてくれた。

あれからずっと、レイラは棚を端から読み続けてきた。


光満ちる王立図書館の本棚の間で、レイラはルーカスに初恋をしたから。

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