ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─

レイラの眉が眉間に寄って、無表情を貫いてきたはずの顔がくしゃりと歪んだ。振り切れた感情が、表情を動かした。歪んだ顔がレイラの滾る想いを雄弁に語っている。


ルーカスは愛し過ぎている彼女からの告白を受けて、もう頭で考えることを止めた。部屋のドアと共に、誠実な紳士たる慎重な理性も吹っ飛ばした。


「俺の隣は君以外、あり得ない」


レイラにぶつけたい衝動に身を任せて口を開く。ルーカスも、伝えたかった。


「初めて会った日から君を……ずっと君だけを、心から愛してる」


あんなに動くことを拒否していたレイラの顔がさらに大きく歪んで、綺麗な涙を落とす。


(ルーカス様が本当に、私を……!)


ルーカスはレイラの端正な顔がこんなに乱れたのを見たことはない。歪んだ瞳から落ちる涙にひどく魅入られて喉が渇いた。


「歪んだ顔さえも美しいレイラ」


ルーカスはレイラから一瞬も目を離せなかった。永遠に乱れたレイラを目に映しておきたい。ルーカスの溢れる想いを止める無粋な理性は今やもうどこにもない。


「君の隣にいられるなら、何を犠牲にしてもいい」


彼女の青い瞳からはらはらと落ちる真珠の涙を手に入れられるなら、ルーカスは地獄に落ちてもいいとさえ思った。


「君の隣にいられるなら、誰を裏切ってもいい」


こんなに美しく尊いものがルーカスを愛してくれるなら、自国民を犠牲にしてでも、この愛を捨てることなどできない。


そんな考えはこの国を統べる立場である王族としては失格だ。


だが、それくらいルーカスはレイラを渇望し、愛し尽くしていた。


「君が俺のものになるなら、死んでもいい」

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