ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
扉が開き、部屋で迎えてくれたのは背筋がきちんと伸びて溌剌とした女性だった。まとめた黒髪に切れ長の目が特徴の美人だ。
「セイディ様、婚約者のレイラを紹介します」
「あら初めまして、レイラ嬢。お噂はかねがね」
レイラは最上級の美貌をおしとやかに型にはめた完璧なお辞儀を披露する。セイディはレイラの叩きつけるまでの究極美に真紅の瞳を大きく見開いた。
「噂以上の美貌に驚きました。ルーカス様との愛を貫く、まさしく傾国の美女ですね」
セイディはクスリと親し気に笑って、ルーカスとレイラをソファに案内した。
かっこいい印象の女性が優しいので、レイラはセイディに好感を持った。やはりウィリアムより怖い人は出てこなかった。
「今日はレイラの知恵も借りようと思って連れて来た」
「見せびらかしたいの間違いかと思いましたが、それは助かりますわ」
(私が役に立つことなどあるでしょうか?)
レイラは場違いなところに来てしまったとは思ったが、ルーカスが握った手をぎゅっと離さないので安心して隣に座っていられた。
セイディとルーカスがテーブルを挟んでソファに座り、レイラはルーカスの隣に優雅に座っている。
「先日の件、イーリス国で詳しく調べさせた結果が届きましたわ」