ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
婚姻を迫る国の事情を知ったセイディとルーカスがお互いに意に添わない婚約を、どう穏便に解消するかという方法について話し合いを進めていた。
(ルーカス様はセイディ様とこの件について話し合われていたのですね)
侍女たちが話していた「ルーカスがイーリス国の王女の部屋で入り浸り」だという噂の正体を知って、レイラはホッとした。
見せびらかしたいと言っていたルーカスだが、噂を払拭しようとしてくれたのかもしれない。
セイディはイーリス国の実情を調査した結果を報告する。
「やはり、イーリス国王、つまり私のお父様は戦争をしたがってなどいません」
ルーカスが目をぱちくりとしてその結果に驚く。ちなみにレイラと手を繋いだままだ。思いっきり見せつけている。
「そうなのですか?」
「ええ、この国に勝手なちょっかいをかけているのはバカ貴族たちです。軍事特需が欲しいのですわ」
セイディは優雅に足を組み直して、ペラペラとよく回る口で語る。
「お父様はバカ貴族たちを黙らせるために、この国と和平を結ぶシンボルを持つことで戦争を止めようとしたのです。
でもバカ貴族たちを止めるため、なんていう理由で私の人生を投げ打つわけにはいきません。
私だって国に好きな男くらいいるのです」