ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─

報告を終え、両腕を組んでふんぞり返ってたセイディが大ため息をつく。国に振り回されるだけの人生はうんざりだ。


セイディは好きな男と結婚したかった。

だから、好きな女と結婚したいというルーカスとすっかり利害が一致したのだった。


「レイラ嬢は、この問題をどう思いますか?」


セイディの問いかけにレイラは背筋を伸ばした。レイラの一番苦手な問い「どう思いますか」が飛んできた。


「セイディ様、レイラは口が」


ルーカスがフォローに入ろうとするが、レイラはルーカスの手をきゅっと握って首を振った。

今まで無口を貫いてきたレイラだが、しっかり話は把握できており、伝えたいことがあった。


(ルーカス様はお優しく、無理に話す必要はないと言ってくださいましたが……無理ではありませんわ)


ルーカスが隣にいてくれると、レイラは今までできなかったことができる気がする。愛されている自信があると、前向きな気持ちがわき上がった。


返事を待ってくれているセイディにレイラは一つ頭を下げて、手で書き物をする身振りをした。ルーカスが気づき侍女に書き物を用意させる。


レイラは用意された書き物に、まず謝罪を記した。


『言葉を発すると倒れてしまう体質です。時間がかかりますが筆談させていただいてもよろしいでしょうか』

< 236 / 268 >

この作品をシェア

pagetop