ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
報告を終え、両腕を組んでふんぞり返ってたセイディが大ため息をつく。国に振り回されるだけの人生はうんざりだ。
セイディは好きな男と結婚したかった。
だから、好きな女と結婚したいというルーカスとすっかり利害が一致したのだった。
「レイラ嬢は、この問題をどう思いますか?」
セイディの問いかけにレイラは背筋を伸ばした。レイラの一番苦手な問い「どう思いますか」が飛んできた。
「セイディ様、レイラは口が」
ルーカスがフォローに入ろうとするが、レイラはルーカスの手をきゅっと握って首を振った。
今まで無口を貫いてきたレイラだが、しっかり話は把握できており、伝えたいことがあった。
(ルーカス様はお優しく、無理に話す必要はないと言ってくださいましたが……無理ではありませんわ)
ルーカスが隣にいてくれると、レイラは今までできなかったことができる気がする。愛されている自信があると、前向きな気持ちがわき上がった。
返事を待ってくれているセイディにレイラは一つ頭を下げて、手で書き物をする身振りをした。ルーカスが気づき侍女に書き物を用意させる。
レイラは用意された書き物に、まず謝罪を記した。
『言葉を発すると倒れてしまう体質です。時間がかかりますが筆談させていただいてもよろしいでしょうか』