ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
セイディの部屋を辞した二人は部屋までの道のりをゆっくりと手を重ねて歩いていた。
「ありがとう、レイラ。こんな解決策、誰も思い浮かばなかった。君のおかげで初めて希望が見えてきた」
レイラは先程セイディがルーカスと握手をしたのが気になってしまい、ルーカスの手を何度も握り直した。セイディに触れた感覚を上書きしたかった。
(私ってこんなに狭量で、嫉妬深かったのですね)
さすがにここまで嫉妬深いことをレイラはルーカスに知られて幻滅されたくない。
だが、両想いにほのぼのしていてそんなことに全く気がつかないルーカスは、レイラの手を握って素直に笑った。
鈍感は良いところでもある。
(ルーカス様、お可愛らしいですわ!!)
セイディはその日のうちに風のように帰国した。