ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
「レイラは皆に良かれと提案を」
「わかってるって!ベルも相手方も乗り気だ。ベルの待遇は保証するってリカルド君が何度も手紙をくれたんだ」
「そうでしたか」
「しかも、僕が縁談まとめにイーリス国に行った時、直々に挨拶に来てくれた。表情はカッチカチだけど、レイラ嬢よりは全然話せて、真面目でいい子だった」
レイラを比較に持ってくるあたり、よほど顔が固くて美しいのだろうなとルーカスは予想した。
「顔はレイラ嬢で、中身ルーカスって感じ。そりゃあベルも懐くかって納得したよ」
ウィリアムは満足そうに笑う。ルーカスが一番心配だったベルの反応であるが、二つ返事でいつ嫁げるのかと矢の催促であった。ウィリアムは決済の終わった書類を机に投げて、にやりと笑った。
「政略結婚であろうとね。愛はないより、ある方がいいんだ。その方が長い和平になるから」