ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
レイラの情報は正しく、誰にも損のない縁談になった。
ウィリアムが立ち上がって、ルーカスの周りをコツコツ歩き出した。
「リカルド君はベルにベタ惚れ。ベルの将来に何の問題もない。生涯かけて守るはずだよ。初恋を守り抜いた我が弟のようにね」
ルーカスもレイラとの初恋を守るために奮闘してきた。婚約問題に迎合せず兄に立ち向かい、時間を繰り返し、レイラの死を拒み続けてきた。
「ベルとリカルド君が懇意だったなんて僕も知らなかったな」
「レイラがたまたま知っていただけですが、皆の役に立ててよかったです」
顎元に手をあててルーカスの周りをうろうろし続けるウィリアムを、ルーカスは眺めていた。
「自分だけが知ってる情報を、自分が得するタイミングで、切札として使うことができる。
外交で大事なのって、結局それなんだよね」
ウィリアムはルーカスの肩に腕を置いてにやにや笑う。何か言いたいことがあるようだ。
「セイディ様へ直接情報を繋いだのも良かった。レイラ嬢は上手くやったよ。何より稀代の美人だしね!外交は美人がいるだけで捗ることもある!」