ループ3周目の第二王子様!─溺愛同棲ルートに連れ込んで、無表情無口令嬢を泥デロ幸せにするまで─
ふくよかな夫人は丸い目できょとんを繰り出したが、興味津々でレイラの手紙を開けた。レイラの手紙には口を開くと倒れる事情と、話せない謝罪と、最近のドレス事情について書かれていた。
夫人がドレスに目がないことを理解した話題だった。相手に合わせて話題の趣向を変えよう、はベルから学んだお手紙術だ。
「まあまあ、そうでしたの。お伝えいただいて嬉しいですわ!」
手紙に書かれていたことについて、夫人は喜んで口を開き大いに語った。レイラは微笑み、大きく頷き、楽しい時間を過ごすことができた。どうしても伝えたいことがあればその場でペンを取って紙に書いた。
「レイラ様は意外とおしゃべりだったのですねぇ!」
パーティ会場で筆を取るなんて礼儀には外れている。
だが、夫人はそんなこと気にせずレイラが文字を書くのをしっかり待ってくれ、話には花が咲いた。そこには人と人との思いやりの時間が流れていた。
(君は本当に、素晴らしい女性だ)